ゼロ・ダーク・サーティ(2012)

In: アクション|サスペンス|戦争

5 3月 2013

「ゼロ・ダーク・サーティ」とは軍事用語のことで午前0時30分を指しています。
深夜に極秘で行われたビン・ラディン暗殺へのミッションを「ハート・ロッカー(2008)」の「キャスリン・ビグロー」監督が見事に映像化しています。
CIAの女性分析官マヤ「ジェシカ・チャステイン」が、赴任直後からビン・ラディンの居所を突き止める為に集まってくる膨大な情報の中から本物の情報だけを嗅ぎ分け、手がかりをつないでいくという藁の中から針を探すような作業を延々と続け、情報が覆されたり仲間が罠に嵌められ失ったりと八方塞がりでの日々が続きます。
しかし、10年という歳月を決して諦めることなく、「ビン・ラディンを必ず見つける」という確たる信念で働くタフな女性を熱演しています。
ビン・ラディン殺害作戦の全貌を描いたこの作品はドキュメンタリー風な感じで進むと思っていましたが、157分という長尺にも途中ダレることなく終始緊張感を持続させたまま手に汗握るシーンの連続で、最後は何とも言えない気分にさせられます。
それは、手段を問わず国家を挙げて一人の男を追い詰める側の人間として自分もミッションに参加してるかのような錯覚に陥ったからだと感じました。
本作も「アルゴ(2012)」もCIAでの事実を映画化した作品でしたが、個人的には本作の方がアカデミー賞には相応しいと思っています。

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