終戦のエンペラー(2012)

In: ドラマ

5 8月 2013

終戦後GHQ最高司令官ダグラス・マッカーサー(トミー・リー・ジョーンズ)は戦争犯罪人の一斉検挙とその戦争犯罪を裁くために天皇に対する戦争犯罪の有無の立証と天皇が逮捕・処刑されたの際の日本国民への影響を考慮し知日家のフェラーズ准将(マシュー・フォックス)に10日間という短い制約時間の中で調査をさせ、東條英機(火野正平)、近衛文麿(中村雅俊)、木戸幸一(伊武雅刀)、関屋貞三郎(夏八木勲)というような関係者から聴取を行うが天皇が戦争に関与していない証拠を得ることが出来なかった。

天皇への戦犯容疑を晴らしたいフェラーズは具体的証拠の無いまま最終調査報告書を提出し、調査書を読んだマッカーサーは天皇の人物像を見定めようと天皇との面会を設定するよう命じる。

本作は当時の米軍が天皇制をどのように理解していたのかを描いたものだが「西田敏行」が演じている鹿島大将の言葉は興味深かった。

ここでは『曖昧な日本』と訳しているのが、当にその通りだと頷いてしまう。

現在のアメリカが日本人の天皇への認識を真に理解出来ているのかどうかは別にして、日本人の天皇に抱く心情は非常に上手く表現出来ていたと思う。

天皇に戦争責任を課した時の日本人の反応とその損得勘定についてはフェラーズ准将は正しくマッカーサーに報告したわけである。

恥ずかしながら私は知らなかったが、終戦日前夜に玉音放送のレコードをめぐりクーデター未遂事件となった宮城事件も描かれており、新たな知識を得られたことと、最後に天皇がマッカーサーに賜られた言葉には思わず目頭が熱くなってしまった。

日本人なら是非観て頂き、ご自身で確認して欲しい作品だと思います。

最後のテロップが流れる場面においても席を立つ観客が殆どいなかったことを考えても、本作が日本人に感動を与えた作品だったということの証明でもあると思います。

余談ですが早々に「グレゴリー・ペック」主演の「マッカーサー(1977)」のDVDをamazon で買っちゃいました。

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