ツーリスト(2010)

In: サスペンス|ミステリー

10 3月 2011

新鋭「フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク」監督は、本作が「善き人のためのソナタ(2006)」に続く2作目の監督・脚本作品になり、2大豪華俳優を起用しての大作だが、何を期待して鑑賞するかによって評価も大きく変わるだろう作品になっています。
監督は1作目の評価が良かったが、まだまだ若くこれだけのスターの持ち味をどう生かして作品を面白く魅せるかは未だ未知数ということを念頭に入れて鑑賞しました。
ただ前作のファンが、今作のファンとは絶対同じにはならないほど作品のジャンルが違うので逆に楽しみでもあります。
本作のジャンルは、ロマンティック・ミステリーかサスペンス・ミステリーに該当するのだろうが、私はコメディ色が強く感じられミステリーな部分は感じられなかった。
というのは、前半で恐らくオチはこれだろうという謎解き部分が判ってしまい、ラストのサプライズがなかったからだ。
勘の良い人なら恐らく判ってしまうだろう物語の流れは、古いタイプのサスペンス映画にあるパターンだが一流の俳優が演じると古臭さは感じさせない。
ひとり旅のアメリカ人フランク「ジョニー・デップ」はイタリアのベニスへ向かう列車の中で妖艶な美女エリーズ「アンジェリーナ・ジョリー」と知り合い魅了される。
しかし、エリーズの行動は逐一警察に監視されており、ある重要人物がエリーズと接触する機会を待っていたのだが、エリーズはニセの男と接触することで捜査の攪乱を狙っていたという展開で物語りは進んでいく。
何を期待して鑑賞するかだが、ミステリーの部分は直ぐに謎解きが出来てしまうので、ここは2人の演技を堪能してベニスの風景を楽しめば満足出来る。
この映画を観れば絶対に一度はベニスに行ってみたいと思うほど素晴らしく、正に水の都と呼ぶに相応しい街でした。
久しぶりの007「ティモシー・ダルトン」も懐かしかったし、「ダ・ヴィンチ・コード(2006)」で悪役シラスを演じてた「ポール・ベタニー」が主任警部で振り回されるシーンは印象に残ってしまった。
この作品は「ソフィー・マルソー」主演で日本未公開のフランス映画「アントニー・ジマー(2005)」のリメイクでDVDも発売されており機会があれば見比べてみたい。

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