戦乱の中国を舞台に「墨守」という故事で知られる戦闘集団「墨家」の天才戦術家・革離(かくり)の活躍を描いた「森秀樹」の同名コミックを「アンディ・ラウ」「アン・ソンギ」「ファン・ビンビン」等の俳優陣で映画化した歴史アクション。
日本原作による歴史大作ものも日本人が登場しない作品はそれなりに飽きることなく楽しめます。
『墨子』をウィキペディア(Wikipedia)で調べてからこの作品を鑑賞すると理解しやすいかもしれません。
本作は原作全11巻のうちの前半4巻迄の話で、全住民わずか4千人の梁城を趙軍の猛攻に対し革離が守り抜く内容で歴史好きなら楽しめると思うが、実はこの原作は5巻以降が面白く秦のエイ政(後の始皇帝)も登場し趙の邯鄲城が落城するまでが描かれている。
続編を期待しても無駄なので原作を読んで堪能して頂きたい。

コミックの実写映画化された本作は、中国の春秋戦国時代が舞台であるにも拘らず日本人全てで占めている時点で期待はしていないが、原作が日本の漫画なので日本作品と割り切ってみればそれなりに楽しめます。
この物語は「史記」やそれに類推する歴史書から始皇帝となる秦のエイ政「吉沢亮」と秦国の将軍として後々まで彼に仕える李信「山崎賢人」の2人をノンフィクションと原作者のオリジナルストーリーで描いている作品。
そこには実在した楊端和(ようたんわ)「長澤まさみ」や王騎(おうき)「大沢たかお」など出てきますし原作でも史実に沿って物語は進んでいきます。
私は「史記」を全て読んだわけではありませんが、少しだけ調べてみるとこの「キングダム」という原作が史実にオリジナリティーを加え面白く描かれているということはよく判ります。
原作者「原泰久」さんの今後の執筆を楽しみにしています。
話が先走ってしまいましたが、映画化された本作は紀元前245年からのほんの一部ですのでこの壮大なストーリーからすると序章の序章でしかすぎません。
我々の知るイメージの良くない始皇帝を正反対に描いている本作は、エイ政が中華統一を成し遂げるまで続編が出来るなら観ておいても良い作品だとは思いますが、原作の方が絶対に面白いので中華の歴史に興味のある方にはコミックの方をオススメします!

先ず興味を引かれたのが監督と俳優陣!
「ローン・サバイバー(2013)」「バーニング・オーシャン(2016)」「パトリオット・デイ(2016)」の「ピーター・バーグ」監督と数々のヒット作を連発している「マーク・ウォールバーグ」は4度目のタッグとなり過去の3作は何れも楽しめたので期待は裏切られません。
他に「ウォーキング・デッド」シリーズの「ローレン・コーハン」や「ザ・レイド(2011)」シリーズの「イコ・ウワイス」や名優「ジョン・マルコヴィッチ」が競演のサスペンス・アクション。
最初のネタ振りが最後のどんでん返しに繋がっているので95分の尺も程よく画面に釘付けでした。

シーズン6まで続いた人気シリーズで英国の1912年から25年までを舞台にした貴族とその一族や使用人たちを描いたドラマはそこに暮らす伯爵一家とその使用人たちが織りなす悲喜こもごもの人間模様を描き世界中で大ヒットした物語でこの作品はその映画版でTV版の続編となる。
TV版の最終回から2年後の1927年が舞台になっているのでTVシリーズを観ていない人にはオススメ出来ませんが、国王夫妻の訪問という一大イベントを控え準備に追われるダウントン・アビーで繰り広げられる様々な愛憎渦巻く人間ドラマがテンポ良く進み、英国のこの時代を解かり易く描いたこの作品は観終わった後の爽快感もあり面白かった。
全てを観るとなると(エピソードは全55話)相当な時間を要しますが飽きの来ないドラマになってますので観ておられない人にはオススメ出来る作品です。

「ダニエル・クレイグ」シリーズの完結篇で過去の007とはテイストが少し違いますが原点回帰のジェームズ・ボンドは
「007/カジノ・ロワイヤル(2006)」(シリーズ第21作)
「007/慰めの報酬(2008)」(シリーズ第22作)
「007 スカイフォール(2012)」(シリーズ第23作)
「007 スペクター(2015)」(シリーズ第24作)
「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2020)」(シリーズ第25作)
をひとつの作品として鑑賞すれば文句なく楽しめるシリーズでした。
最新作を観ておられない方の為に結末は伏せておきますが見事な結末で最後は泣けますよ!
出演者は過去の作品に登場した人物が数多く登場しますのでイッキミをお奨めします。
「James Bond Will Return」なので次回作のリスタートも楽しみですね!

私はタイムトラベルやタイムリープものが好きで数々の作品を観てきた。
如何に時空軸をシナリオにして納得のいく作品にまとめるかが重要で突っ込み所が多いと興醒めする作品が多いものもある。
あまり深く考えないで楽しめる私の好きな作品はH・G・ウェルズ原作の「タイム・マシン/80万年後の世界へ(1960)」に始まり
「バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985~1990)」シリーズ
「タイムライン(2003)」
「ニューヨークの恋人(2001)」
「デジャヴ(2006)」
「スター・トレック(2009)」
「インターステラー(2014)」
「X-MEN:フューチャー&パスト(2014)」
等があり、今回の紹介作品は「Amazonプライム・ビデオ」限定ではあるがタイムスリップの王道作品!
最近はこのように劇場公開しないでサブスクでしか観られない作品が増えてきているが本作もその一つで「クリス・プラット」「J・K・シモンズ」のような著名な俳優を使ったドラマで、2021年に突如人類の前に2051年から来た未来人が現れ30年後にエイリアンにより人類が滅亡する為この時代からの応援要請で志願する人間を未来に連れて行き進化していない武器で、しかも歩兵戦で戦いバッタバッタと殺されてしまうが、最後は家族の絆で勝利する王道の展開で安心して楽しめる作品!

Fukushima 50(2019)

In: ドラマ

19 2月 2021

キャッチコピー:
奇跡は起きると、
信じたからこそ――

「門田隆将」のベストセラー・ノンフィクションを原作に、2011年3月11日の東日本大震災で未曽有の事故に見舞われた福島第一原発で、最悪の事態を回避すべく原発内で戦い続けた50人の作業員たちの奮闘を豪華キャストの共演で描いたヒューマン・ドラマ。
あの時、現場でいったい何が起こっていたのか?
突然起きた大事故に対し殆どの国民が知らない事実を忠実な再現ドラマに徹して造られているので涙無しではいられなかった。
東京電力にあまり良いイメージは持っていなくても当時の現場の人たちは必死に戦っていたをことを思い知らされます。
既にお亡くなりになられた吉田所長を「渡辺謙」が、当時私たち国民が全く知らなかった現場の最前線に居られた責任者の伊崎利夫さんを「佐藤浩市」が熱演しており、日本人として必ず観ておきたい魂が揺さぶられる作品です。

キャッチコピー:本当に大切なものはいつも失って初めてわかる

「デヴィッド・フィンチャー」監督の作品らしく何ともいえない独特の雰囲気を持った作品で、結婚するならよくよく考えて結婚しないと後悔するよという警鐘を鳴らしてるような映画。
彼が監督をした「セブン(1995)」のラストも衝撃的だったが、この作品は衝撃よりも後味の悪さが残る作品で、これが「デヴィッド・フィンチャー」だと云わんばかりの内容でした。
妻「ロザムンド・パイク」の突然の失踪をきっかけに、妻殺害の嫌疑で渦中の人となってしまう主人公「ベン・アフレック 」の秘密と衝撃の顛末を描いており最後で多くの人が期待するような終わり方をしないところが流石!
悪女ムービーといえば私の場合「危険な情事(1987)」の「グレン・クローズ」を思い出してしまうが、妻のサイコぶりが際立った作品としてはピカイチ!
149分の長尺だが未婚の男性には是非観て頂きたい!

キャッチコピー:事件解決のカギは電話の声だけ。88分、試されるのはあなたの<想像力>

この異色のサスペンスドラマの舞台は「警察の緊急通報指令室」の「ワン・シチュエーション」映画。
同類の作品としては
「ザ・コール [緊急通報指令室](2013)」
「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分(2013)」
「[リミット](2010)」
「セルラー(2004)」
「フォーン・ブース(2002)」
等過去にもあったが、これだけ電話の音声から想像力を要する作品も珍しい。
上記のワン・シチュエーション作品は全て観たが、これほど制作費をかけずに想像力のみで鑑賞しなければならなかった作品は私の知る限り例がない!
デンマーク映画恐るべしである。
心を平静に保っている時に想像力のみで鑑賞してみてください。
ラストにはきっと驚かされますしタイトルの意味が判ってくるはずです。

主演「ベン・アフレック」といえば近年ではバットマンのブルース・ウェイン役のイメージが強く残っていますが、本作では高機能自閉症で数学の天才でありながらグリーンベレーの心理作戦班である父親にスパルタ教育された凄腕のスナイパーというアンチヒーロー役。
今までには無かった設定と主人公の幼少からの生い立ちが丁寧に描かれており非常に判りやすい作品には仕上がっています。
128分という少し長尺にはなっていますが、随所に回想シーンが盛り込まれており冒頭の伏線を最後に使っているので納得は出来るもののオチは好き嫌いの分かれるところかと!
明らかに続編を期待されるエンディングですので少し調べてみると2017年に続編企画が報じられたが、2020年3月現在では映画化の目処は立っていないがテレビドラマとして制作する案が出ているらしい。
「マット・デイモン」のボーン・シリーズのような作り方をしてもヒットすると思うので是非とも映画化でもテレビシリーズでも良いから続編を期待したい!

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