映画パンフレット専門店の店長が見てきた映画をレビューします
「スティーヴン・スピルバーグ」が映画監督としてのデビュー作である「激突! (1971)」の原作者「リチャード・マシスン」の最新映画で、最近では「地球最後の男 オメガマン (1971)」のリメイク「アイ・アム・レジェンド(2007)」がありましたが、原作映画化としては「エコーズ(1999)」が2005年に公開されて以来で「キャメロン・ディアス」主演ということもあり期待して観に行ったのですが、何というか・・・
出だしは「世にも奇妙な物語」か「トワイライト・ゾーン」のような感じで始まっていると思っていたら、この作品は「新トワイライトゾーン」シリーズの1作品「欲望のボタン」としてTV放映されていたそうです。
物語は、ある日深夜玄関に奇妙な包みが置かれて、包みには大きなボタンがついている箱が入っており、その翌日セールスマン風の男が訪ねてくる。
その男は「このボタンを押せば大金を手に出来るが、同時にあなたの知らない、誰かがどこかで一人死ぬ」と男は言い、1週間後に箱を引き取りに来ると言い残し去って行き、当然悩んだ挙句殆どの人がしてしまうようにボタンを押すのだが、強烈なオチで終わるキーワードは「どこかの誰かが死ぬ」という言葉である。
TV放映されたオリジナルは未見だけど、何となく短編を2時間にしたような感のある作品だった。
ツッコミどころの多い作品で好き・嫌いが分かれる映画でしたが、私は最初は期待しながら後のストーリーを想像し、途中は若干ダレてきて在りえない展開になり、最後は「なるほどね!」という終り方をしているものの、好きではないタイプの作品でした。
モンスター映画の古典「狼男(1941)」のリメイクとなる本作は、主演に「チェ 28歳の革命 (2008)」「チェ 39歳 別れの手紙 (2008)」の「チェ・ゲバラ」が当たり役となった演技派の「ベニチオ・デル・トロ」とアカデミー男優である「アンソニー・ホプキンス」の2大俳優が共演したホラー・サスペンスです。
この2人の俳優の演技は抜群なのだが、原作のストーリーを重視し過ぎたのかどうかは判らないが内容は期待したほどではなかった。
物語は1800年代後半、舞台俳優である「ローレンス」(ベニチオ・デル・トロ)は母親の死をきっかけに父親(アンソニー・ホプキンス)とは疎遠となっていたいたが、実家に残っていた兄の婚約者から兄が行方不明になったとの報せを受け、25年ぶりに英国の生家タルボット城に帰って来るが、父親には冷たく迎えられ兄もまた無惨な姿に変わり果てていた。
犯人を突き止めようと、流浪民から買ったメダルを手掛かりに彼らのキャンプへ向かうが、今宵は満月の夜で村には満月の夜に謎の殺人鬼が出没するという不吉な伝説があり、それは現実となり、流浪民のキャンプは襲撃され「ローレンス」も瀕死の重傷を負ってしまい狼男となってゆくのだが、特に驚くストーリーではなく見所は人間から狼男に変身する様だが、この辺りは過去に何度も観ている様なシーンなので特に斬新さはない。
結末は未だ観ていない方の為に伏せておくが、この作品なら劇場へ脚を運ばなくてもDVDでOKかなと思う作品でした。
監督初挑戦の「ニール・ブロンカンプ」が「ロード・オブ・ザ・リング 」シリーズや「キング・コング (2005)」の「ピーター・ジャクソン」の全面バックアップでデビューを飾り独創的なストーリーで全米で驚きのヒットを記録した異色のSFアクションです。
初監督作品にも関わらず非常にポテンシャルの高い作品となっています。
配役陣に名の通った役者は一人もいませんが、そんな事は全く気にならず物語に没頭してしまいました。
内容は、巨大な宇宙船が突如飛来して異星人を難民として受入れることになった「第9地区」と呼ばれる南アフリカの地帯で20年間が過ぎたところから物語は始まります。
エイリアンとの共同生活といえば一番最初に思い出された映画は「エイリアン・ネイション(1988)」でしたが、視点は全く違った角度から注がれており、本作と比較すると時代を感じさせる作品になっています。
20年後の共同居住区の「第9地区」はスラム化しており、地域住民のエイリアンたちを新たな難民キャンプへ強制移住させる為に、プロジェクトの責任者ヴィカス「シャールト・コプリー」は彼らの住居を訪問し立ち退きの通達をして廻るが、その最中に不注意から謎の液体を浴びてしまい身体が変質していく。
ここから物語は益々盛上がってゆきますが、後は観てのお楽しみという事で!
文句なしにお薦めの逸品で劇場で観て絶対に損はありません。
「ディパーテッド(2006)」でコンビを組んだ「マーティン・スコセッシ」監督と「レオナルド・ディカプリオ」が3年振りに再びタッグを組んだ本格ミステリー大作という前評判で早々と劇場へ脚を運んできました。
共演は「帰らない日々(2007)」「ブラインドネス(2008)」の「マーク・ラファロ」や「ガンジー(1982)」の「ベン・キングズレー」に名優「マックス・フォン・シドー」が脇を固めて期待感は高まっていましたが、結論から云うと若干期待倒れの感もある内容の作品でした。
面白くなかったのかと?尋ねられると決してそうではなく謎解きサスペンス映画として鑑賞した場合のストーリーが好きではなかったという意味でですが。
上映が始まる前に「作品中に様々なヒントが隠されており、あなたはいくつ見つけられるか?」みたいなテロップが流れ、正直私は真剣にスクリーンを凝視していましたが、それも最初の30分が限界で以降はそれほど注意して鑑賞せずに淡々と物語を追うことに専念しながら犯人の予想をしていました。
この作品は謎解きサスペンスなので内容については、これ以上語れませんが観終った後にシーンを振り返ってみれば「あっ!なるほど。あそこはそういう事か!」という場面が思い出しただけでも数箇所ありました。
そういう意味では答えあわせをするように、もう一度観てみたい映画ではあります。
天才的な観察眼と推理力を持った名探偵シャーロック・ホームズが、更に超ワイルドな武闘派としての腕力を持ちアクション満載で活躍する一味違ったホームズを「アイアンマン (2008)」「インクレディブル・ハルク (2008)」の名優「ロバート・ダウニー・Jr」が演じている。
相棒のジョン・ワトソンは「スターリングラード (2000)」「ホリデイ (2006)」の、これまた名優の「ジュード・ロウ」が出演しているミステリー・アドベンチャーで、この2人がどんな演技をするのか楽しみにして劇場に脚を運びましたが、期待度を越えることはありませんでした。
謎解きモノ映画として観ると全く違いますし、アクション満載のアメリカナイズされたシャーロック・ホームズは意見が別れるとは思いますが、私はどんでん返しに次ぐどんでん返しの謎解きが期待だったので少し残念でしたが、角度を変えて観れば新鮮なホームズ&ワトソンが活躍するテンポのよいアクション映画として鑑賞すればすんなりと楽しめる映画だと思います。
「ロバート・ダウニー・Jr」と「ジュード・ロウ」の個性が上手く引き出せた作品で続編には期待大です。
「ホーム・アローン (1990)」や「ハリー・ポッターと賢者の石 (2001)」の監督でもあり、「ハリ・ポタ」や「ファンタスティック・フォー」シリーズの製作をしている「クリス・コロンバス」監督のファンタジー・アドベンチャーです。
ギリシャ神話に出てくる神々の争いに巻き込まれた神と人間の間に生まれた「デミゴッド」の少年が、仲間たちと過酷な冒険を繰り広げる迫力の映像で楽しませてくれますが、この手の映像は最近見飽きてきた感があり新鮮味は感じられません。
特に男2人&女1人の組み合わせで戦いに挑んでゆくパターンは「ハリ・ポタ」と同じパターンで新鮮味もありませんが、ストーリーは単純で子供っぽい内容なので考えさせられる箇所もなく気楽に鑑賞することが出来ます。
主演は「3時10分、決断のとき (2007)」「ナンバー23 (2007)」の「ローガン・ラーマン」で「ピアース・ブロスナン」や「ユマ・サーマン」ら名優も出演して楽しませてくれます。
「パーシー・ジャクソン」は海神ポセイドンの息子という設定なので、水を使ったド派手なシーンを期待してたのですが、それほどの見せ場がなく残念でした。
でも最後のオチは少し気分爽快で観終われます。
大方の予想を裏切り大本命の「アバター(2009)」を抑えて本年度アカデミー賞の作品賞他6部門に選ばれた本作を偶然アカデミー賞発表の前日に観て来ました。
でも、この作品って2008年製作の映画だったんですね。(意外!)
発表は本年度のアカデミー賞にノミネートされたくらいですから、米国では2009年の公開だったんでしょうが、この作品の舞台であるイラクでの現実がシンクロして、家族がイラクに行ってる米国の人たちにとっては非常にリアル感があったと思います。
物語は苦悩するイラク戦争従軍兵士の中で、爆弾処理という任務についてる「ジェレミー・レナー」を中心とした3人の兵士にスポットを当てていますが、物語の起伏は特になくドキュメンタリー風に物語は進んでゆきます。
ただ途中の緊迫感は半端じゃなく、まるで自分が戦場にいるかの如く緊張してしまいました。
あの緊張感は劇場でしか味わえないと思いますので劇場鑑賞を強くお勧めします。
戦場は麻薬と同じだという最初のテロップにふさわしい内容で、死と隣り合わせの世界観を「キャスリン・ビグロー」監督は非常に上手く描写しています。
彼女が「アバター (2009)」の「ジェームズ・キャメロン」監督の元妻だったことは有名で、今年のアカデミー賞は違う意味でも興味深い争いでした。
最近5年間のアカデミー作品賞は
2008年 スラムドッグ$ミリオネア
2007年 ノーカントリー
2006年 ディパーテッド
2005年 クラッシュ
2004年 ミリオンダラー・ベイビー
ですが、私的には毎年上記作品より面白い作品が多数あるので賞の基準がイマイチ判りませんが、自分の中の本年度ナンバー・ワン映画はやっぱり「アバター (2009)」で、次点は「グラン・トリノ(2008)」でした。
「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズの「ピーター・ジャクソン」監督が映画化した若干風変わりなファンタジードラマです。
「キング・コング (2005)」以来の監督作品で、主演も「マーク・ウォールバーグ」「レイチェル・ワイズ」に「スーザン・サランドン」まで登場するとあっては自然に期待度も高く鑑賞してきましたが結果は残念な作品でした。
ファンタジーといってもサスペンス色をふんだんに取り入れ「死後の世界」という想像でしか観れない世界に挑戦した映画ですが、誰もが自由に想像出来るので、映画作品としてはなかなか扱いが難しかったのか私には退屈な135分でした。
一番フラストレーションが残った原因は、犯人が社会的制裁を与えられなかった部分に不満を感じた為でしょうが、それ以外の部分でも監督が挑んだ新しいジャンルへの挑戦は期待し過ぎたせいもあるのでしょうが、失敗に終わったとしか感じられない映画です。
犯人役の「スタンリー・トゥッチ」は2009年アカデミー賞の助演男優賞にノミネートされるだけあって中々の好演でしたが、その他に感じる部分は特に・・・という内容の作品でした。
原作「スティーグ・ラーソン」の「ミレニアム」3部作を映画化した北欧スウェーデン発のミステリー巨編で、社会派ジャーナリスト「ミカエル」と社会を拒絶して生きる天才ハッカー「リスベット」が手を組んで、孤島に暮らす大企業の経営者一族を巡る血塗られた謎に迫っていく様を、巧みなストーリーでスリリングに描き出している。
前半に経営者一族の人間関係がざっくり次から次へと出てくる為に頭の中を整理するのに若干追われてしまうが、写真に写っていたほど多くの人間は登場しないので慌てて整理しなくても大丈夫だった。
B級映画かもしれないと思って観に行ったが、若干複雑なストーリーではあるものの、しっかり描かれており面白い。
一族の主要な人間は数人だけなので犯人はこの中の誰かだということになる。
ミステリードラマとしては中々の出来で十分満喫出来るが、俳優陣は全く知らないし、わざわざ劇場へ脚を運ばなくてもDVD鑑賞で十分かもしれない。
私は続編が上映されたら多分映画館へ行ってしまうだろうけど・・・
ちなみに「映倫 R15+」なので、劇中の女性たちが被る性的虐待の熾烈さはキツク、北欧映画らしいといえばらしいのかな?(北欧映画は殆ど観たことありませんが・・・)
本編のエンドクレジットが終了した後に続編「火と戯れる女」の予告編があります。
先に帰った人は予告編があるとも知らずに帰ったようで、後で知るとチョット損をしてしまった気になるのでは?
この種の映画は通常観終わった後もスッキリすることは殆ど無いのだが、本作は後味の良い終わり方で妙にスキッと気持ちよく劇場を後にする事が出来たことを追記しておこう。
Lorem ipsum dolor sit amet, consectetuer adipiscing elit. Quisque sed felis. Aliquam sit amet felis. Mauris semper, velit semper laoreet dictum, quam diam dictum urna, nec placerat elit nisl in quam. Etiam augue pede, molestie eget, rhoncus at, convallis ut, eros. Aliquam pharetra.