映画パンフレット専門店の店長が見てきた映画をレビューします
「ニムロッド・アーントル」監督は「モーテル(2007)」「アーマード 武装地帯(2009)」に続き本作が3作目となる36歳の若い監督ですが、製作が「ロバート・ロドリゲス」となれば期待も上がろうというもんで個人的にもこの「プレデター」シリーズは好きで全て鑑賞しており楽しみにして鑑賞してきました。
「アーノルド・シュワルツェネッガー」の強烈なインパクトで上映された1作目の「シュワルツェネッガー/プレデター(1987)」から23年が経ちプレデターの映画としては「プレデター2(1990)」「エイリアンVS. プレデター(2004)」「AVP2 エイリアンズVS. プレデター(2007)」があるので5作品目ということになります。
もっとも「エイリアンVS. プレデター」の2作品は別路線の作品でしたから「2」からは20年が経過しており、この続編に近いのかなとも思っていましたが全く違っていました。
今回の作品は過去の作品との関連はなく全く新しいシナリオで、地球ではないプレデターが生息する星に主演の「エイドリアン・ブロディ」が落下していくシーンから始まります。
同じように数人の男女がこの星へ放り出されプレデターの狩りの獲物として次々と殺されてゆき生き残りを賭けて戦うという映画です。
考えてみれば無茶苦茶な設定ですが、誰が生き残るのか?というこのパターンの映画は数多く存在しますしシナリオに新鮮度はありませんが、私は凄く楽しめましたのでお奨め作品です。
「バットマン ビギンズ (2005)」「ダークナイト (2008)」の大成功で一躍名を上げ、更に巨額の予算を使えるようになった「クリストファー・ノーラン」監督が自ら書き下ろしたオリジナル脚本で製作した本作は、壮大なスケールのSFサスペンス&アクション映画です。
潜在意識の中のアイデアを盗み出す為に、相手の夢の中に入り込む事が出来る産業スパイを「レオナルド・ディカプリオ」が演じ、彼に究極のミッションを依頼する実業家役が「渡辺謙」。
その他にも最高のスペシャルメンバー4人が夢の中で繰り広げる最後にして最も危険なミッションの行方を、複雑かつ巧みなストーリー展開と驚異の映像で描き出している。
但し、シナリオは結構難解で二重三重に展開するストーリーはしっかりと話を追って行かないと解らなくなってしまうし、ラストのエンディングは誰しもが理解出来る訳ではなく、とっても考えさせられる映画でした。
この映画に限っては前もってシナリオを把握して観た方が理解しやすいと思いますし、私自身も未だ整理が良く出来てずに必ずもう一回は観たいと思っています。
この映画の「キーワード」は夢が何階層にもなっているという設定です。
これから鑑賞される方はこの言葉を念頭に入れて観て下さい。
(更に頭がこんがらがるかもしれませんが・・・)
この映画の世界観は「ブレードランナー(1982)」に似ており、この作品が与えた影響の大きさを改めて感じてしまった。
物語は「ジュード・ロウ」主演のSFサスペンスで、高額な人工臓器は長寿が得られる代わりに、ローン返済が滞れば合法的に人工臓器を回収され死を迎えてしまう。
この世界で腕利きの人工臓器の取立て屋(レポメン)のレミー「ジュード・ロウ」は何者かの罠に嵌り、自分が人工心臓を入れることになってしまう。
その為に自らがレポメンの標的となってしまいサバイバルを余儀なくされる姿を、「映倫 R15+」のバイオレンスな描写で描いている。
共演は「ラストキング・オブ・スコットランド (2006)」の「フォレスト・ウィテカー」で存在感のある演技を魅せてくれている。
面白いのはローン回収の考え方が、正にアメリカ的でサブプライムローンの時のように支払いが滞れば警察官が住宅回収の執行に同行するなど日本では考えられない話でも、アメリカでは当然ありうるというところです。
人工臓器の回収方法が非常に強引で生きている状態で解剖される映像は結構グロいので気の弱い人にはお奨め出来ませんが、ラストは思いもよらない結末で私は好きな終わり方でした。
先ず最初に感じたことは、わざと色調を薄いセピア色した映像は上手く近未来観を出しており、昔観た「マッドマックス2(1981)」と最初は被っていたが、流石30年の開きはリアルな映像で文明が壊滅した後の地球や荒涼とした世界感を出して廃墟などのCGが時代の違いを感じさせる映像になっていた。
主演の「デンゼル・ワシントン」は本来善人顔なので悪役を演じたのは「トレーニング デイ (2001)」ぐらいしか思い出さないが(「アメリカン・ギャングスター (2007)」も悪役ではなかったし)本作の武骨な顔立ちで旅する彼を見ていると何でもこなせる役者なんだと改めて感心させられてしまう。
物語は「北斗の拳」のような感じで始まり近未来アクションかと思っていたら、全く大違い!
ならず者が支配する街に立ち寄ったアウトローが、酒場に入ってトラブルに巻き込まれてというくだりは完全な西部劇的な構成で、アクションシーンも少し捻ってあり観る側を飽きさせない。
「ザ・ウォーカー」の原題は「THE BOOK OF ELI」であり、キャッチコピーにもあるように“運べ、西へ。世界に残るたった一冊の本を──。”とあるようにご想像通りの宗教の知識が入ってくるので若干腰が引けてしまうが、中々含蓄のある作品で考えさせられました。
「フラッシュダンス (1983)」の「ジェニファー・ビールス」のお顔も久々に見れて昔を思い出しつつ難しく考えないで鑑賞しても楽しめる作品なので、劇場での鑑賞をお薦めします。
In: ホラー
3 7月 2010ゾンビ映画の本家本元「ジョージ・A・ロメロ」監督の最新作となれば観に行くしかないので脚を運びましたが、私が観たいゾンビ映画ではありませんでした。
内容は大した役割を担っていた訳でもない「ダイアリー・オブ・ザ・デッド(2007)」で登場した大佐「アラン・ヴァン・スプラング」が本編の主役ですので、続編として観た方が良いかもしれません。
続編といっても、前作は「REC/レック(2007)」や「クローバーフィールド/HAKAISHA(2008)」のように手持ちカメラによる主観映像で臨場感が溢れたドキュメンタリー・タッチの作品でしたが、本作はそのような視点からではなく、孤島を舞台にした、どちらかというと西部劇風的なタッチの作品となっています。
増え続けるゾンビの処遇について島民である2つの旧家が「ゾンビ駆逐派」と「ゾンビ保護派」の勢力に別れて対立し、権力闘争を繰り広げる様をシニカルに描いた作品ですが、ゾンビ映画大好き人間の私には物足りなさを感じました。
2000年以降に「ジョージ・A・ロメロ」が関わったゾンビ作品は以下の通りですが、彼の最高傑作「ゾンビ (1978)」を抜く作品は未だ現れていません。
(いつも新作には期待して観に行くのですが・・・)
「ドーン・オブ・ザ・デッド (2004) 」(オリジナル脚本)
「ランド・オブ・ザ・デッド (2005)」(監督/脚本)
「超立体映画 ゾンビ3D (2006)」(オリジナル脚本)
「ダイアリー・オブ・ザ・デッド (2007)」(監督/脚本)
「デイ・オブ・ザ・デッド (2008)」(オリジナル脚本)
「サバイバル・オブ・ザ・デッド (2009)」(製作総指揮/オリジナル脚本)
いつの日か「ジョージ・A・ロメロ 正統派ゾンビ作品」を観れると信じて今後もずっと観続けていきます。
「ゴシカ (2003)」以降、年間2~4作品の割で主演して最近はやたらスクリーンでの登場が増えている「ロバート・ダウニー・Jr」の人気シリーズの続編で、物語は前作から続いているので1作目を観てない方は、先ず「アイアンマン(2008)」を!
今作の内容を1作目と比べると続編の悲しさかなパワーダウンしていますが原因は内容の詰め込み過ぎです!
★アイアンマンを公表してスターになったスタークの慢心
★胸に埋め込まれたリアクターの悪影響による身体の不調
★アイアンマンのスーツを手に入れようとするアメリカ軍
★スタークインダストリーのライバル・ハマー社の暗躍
★アベンジャー計画の始動
★スターク一族を恨み復讐しようとする科学者の「ミッキー・ローク」との対決
これらの内容を2時間チョットで詰込み、皆が満足のいく作品にしようというのは無理があり過ぎると思う。
クライマックスのアクションも期待してた程ではなかったし拍子抜けの感あり!
まあ「ミッキー・ローク」と「スカーレット・ヨハンソン」「ドン・チードル」という豪華配役に加え、前作に引続き「グウィネス・パルトロー」「サミュエル・L・ジャクソン」と監督の「ジョン・ファヴロー」まで再度出演している布陣は文句の付けようがないので劇場まで脚を運んでも損はしない。
そして、今回もあったエンド・クレジット後のおまけ映像だけど、一瞬で何が写っていたのか判らずじまい!
フラストレーションを残したまま3作目を待つしかないようだ・・・
私が観た久々のヤクザ映画でしたが、非常に面白く満足の出来る作品でした。
もっとも最近はヤクザ映画自体が殆ど造られておらず、反社会的な人間の作品を製作側が避けているのか、一般人はヤクザが嫌い(怖い?)なくせにヤクザ映画は客が入るという事を知っている「北野武」監督が銭を稼ぐ作品をとりあえず造ったのかは判らないが、ヤクザ映画が全盛時だった故「深作欣二」監督の「仁義なき戦い」シリーズとは完全に一線を引いた別のヤクザ映画になっており、「北野武」作品はそれほど多く観たわけではないけれど、代表作品の1本になるであろうと思われる。
1人として善人が登場しないし、バイオレンスの描写にこだわって殺し方・苛め方を工夫してるのがビンビンに伝わってくる。
1番存在感があり凄かったのは「椎名桔平」かな?(かなり強烈でした!)
でも「三浦友和」「國村隼」「石橋蓮司」「小日向文世」といった役者がそれぞれの個性を出していて、これは北野監督の上手さかなと感じた。
でも「北村総一朗」だけは「踊る大捜査線」のイメージが強すぎて違和感があり残念(あんまり悪い奴に見えないんで!)だったけど、全編を通してダレル箇所はなく最後まで全員がイケイケモードで、いったい誰が生き残るのか?なんぞと想像しながら観ると更に楽しめると思います。
「ジェリー・ブラッカイマー製作」&「ディズニー映画」とくれば、先ず思い出されるのが「パイレーツ・オブ・カリビアン」や「ナショナル・トレジャー」等のシリーズだが、本作も前シリーズ同様の冒険活劇でディズニー作品お得意の大人から子供まで楽しめる娯楽作品に仕上がっている。
監督は「ハリー・ポッターと炎のゴブレット(2005)」の「マイク・ニューウェル」で、主演は「ゾディアック(2006)」以来久々の「ジェイク・ギレンホール」が貧しい身分ながら王に認められ養子になった王子を「ブロークバック・マウンテン(2005)」や「ジャーヘッド(2005)」で感じさせていた何処か頼りないイメージを払拭して逞しく演じています。
次回作は「トビー・マグワイア」や「ナタリー・ポートマン」と共演の「マイ・ブラザー(2009)」ですので楽しみです。
元々はゲームからの映画化だと聞いており、アクションシーンが多くかなりよく飛び跳ねてテンポよく物語りは進んでいる。
私は時間軸を扱っている、いわゆるタイムスリップもんの映画が好きでよく観ているが本作もこれに当てはまる。
時間軸を合わす為にシナリオをどうまとめるかが作品を良くも悪くもしてしまうのだが・・・
多少無理は感じたが上手く終わらせて十分合格点を付けられる作品だと思う。
シリーズで続編が作られるとは思わないが、劇場で観ておいても損をした感じがしない作品である。
「ボーン・スプレマシー(2004)」「ボーン・アルティメイタム(2007)」の「ポール・グリーングラス」監督と「マット・デイモン」が再度タッグを組んでイラクの戦場を舞台にした社会派サスペンス・アクションです。
バグダッド没落後のイラクで、捜索任務についていた陸軍上級准尉MET隊隊長ミラー(マット・デイモン)は、いくら探しても大量破壊兵器が見つからず焦っており、やっと捕らえた人質も国防総省情報局のクラーク(グレッグ・キニア)に奪われ益々不信感を募らせていた。
そこで同じ疑念を持つCIAのブラウン(ブレンダン・グリーソン)と手を組み独自の調査に乗り出していくうちに・・・
ここから先の内容は本編を観て頂くとして、作品として比べてしまうのは最近観賞したアカデミー賞の「ハート・ロッカー(2008)」です。
臨場感と緊張感はこの爆弾処理をテーマにしている「ハート・ロッカー」には敵わないもののテンポよく進んでいくシナリオは観る側の人間を決して飽きさせることなく淡々と進んでゆきます。
後半に情報をもたらしたイラク人が「俺たちだって、この国の未来を思ってるんだ!お前たちにこの国のことは決めさせない」という当たり前のセリフが、当時イラク戦争終結後に観ていたTVニュースでインタビューされていたイラク人とシンクロして妙に納得させられてしまった。
この監督・主演コンビは「ボーン・アルティメイタム」の出来があまりにも良かったせいで、この作品以上の出来を期待してしまうが、それは適わなかったように思う。
それでも最近の期待倒れの作品よりかは数段楽しめるので、劇場での観賞をお勧めします。
「96時間 (2008)」の「ピエール・モレル」監督が前作同様にノリの良いテンポで観る側を全く飽きさせない構成で終始画面に釘付けの作品でした。
内容はフランスのアメリカ大使館に勤務するリース「ジョナサン・リス・マイヤーズ」はエリート大使館員にしてCIAの見習い捜査官で華やかな活躍に憧れながらも仕事は地味な活動ばかりだったが、ある日麻薬捜査のためにCIA本部から凄腕エージェントであるワックス「ジョン・トラヴォルタ」のパートナーを任されることになり、遂に与えられた重要任務に張り切っていたが、ワックスは任務のためなら1日で26人をも殺してしまう過激な男だった。
そんな、2人のやりとりを見ていると最初は頼りなかった「ニコラス・ケイジ」が凄腕のスパイだった「ショーン・コネリー」と組んで最後は逞しくなり大活躍をする「ザ・ロック(1996)」を思い出してしまった。
本作は上映時間が95分だった為に何かあっという間に終わってしまった感がある。(「ザ・ロック」は135分だった)
文句なく楽しめる作品だったが、あえて難点をいうなら黒幕の背景が殆ど語られていないのでテロリスト組織がどういう連中で、何が目的の事件なのかが判り難い。
後半で判る敵はある程度読めていたが驚かされる人は多いかも?
ラストはどうなるのか読めなかったしドキドキするが、唐突な展開過ぎる感は否めない!
背景がもっと念入りに語られていれば驚きや悲劇性もあっただろう。
最後の「トラヴォルタ」が「マイヤーズ」に渡す写真にはグッ!ときたよ!
それと空港の外で2人がチェスを始めるカットでエンディングは好きだなぁ~。。。
ひとり言のように書いてしまってますが絶対面白い作品なんで是非とも劇場で!
2010年の私の中のナンバーワン作品です!(未だ13作品しか観てないけど・・・)
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