「スティーグ・ラーソン」のベストセラー「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」を2009年のスウェーデン版に続き「デヴィッド・フィンチャー」監督が「ダニエル・クレイグ」を主演に据えてリメイクした作品で、主演女優のリスベット役には「ソーシャル・ネットワーク(2010)」の「ルーニー・マーラ」を大抜擢している。
私はスウェーデン版を劇場で1回、DVDで2回、劇場版153分より27分長い完全版を1回観ていますので、本作と比べてみたくて楽しみにしていました。
本編が始まるなり懐かしの〔レッド・ツェッペリンの移民の歌〕が流れだし気分はいきなり盛上がってきます。
スウェーデン版を4回も観ているので、ミステリー・サスペンスというジャンルでありながら犯人探しの必要はなく、オリジナルとの比較という角度で終始鑑賞していました。
本作を初見の方は、複雑ではありませんが登場人物の人間関係が矢継早に説明されていくので、当初は頭の中で整理をすることでいっぱいになるかもしれません。
私は全て把握出来ているので、その分を作品に集中出来ました。
「ダニエル・クレイグ」が、どうしても目立っていますが、特筆すべきは「ルーニー・マーラ」で、人間不信の女性が徐々に心を開いていき、最後は切なくなる体当たりの演技は見応えがあります。
特に内容に大きな違いはありませんが、オリジナルは最初から3部作の1作目ということで、リスベットの父親に関してのトラウマの記憶が、フラッシュバックで蘇ってくるシーンが随所にあったが、本作で彼女の回想場面は一度も出てこなかったので続編は無いのかな?と思わせている。
「デヴィッド・フィンチャー」監督には、是非残りの2&3作品を発表して頂きたいと切に願うが、続編が発表されるかどうかは判りません。

「クリント・イーストウッド」監督の最新作で、初代FBI長官ジョン・エドガー・フーバーの伝記ドラマを「レオナルド・ディカプリオ」が見事に演じている。
物語は年老いたフーバーFBI長官が、自らの回顧録の作成をする1919年の司法省に勤務していた若き日から始まっており、司法省に新設された急進派対策課の責任者に抜擢され次々と成果を上げていく。
そして、FBIの前身となる司法省捜査局の長官代行となったエドガーは、片腕となるクライド(アーミー・ハマー)と秘書のヘレン(ナオミ・ワッツ)だけを信頼して捜査の近代化と権力の集中を進めていく。
圧倒的な権力者として君臨しながらも、エドガーが抱える[孤独]を見事に描かれており、年老いてからも[権力]に執着し[老い]を認めようとしない姿は、失礼ながら現役バリバリで仕事をし、今年で82歳になるイーストウッド監督と妙にダブってしまった。
楽しく観られる映画ではないが、人間の醜さや弱さが旨く描かれており、私自身が色々と考えさせらてしまう映画でした。
観ておいて損はなかったが、銃撃戦やアクション・サスペンスを期待する方にはお薦め出来ません。

吸血鬼映画としてコメディ色を入れながらも高評価だった「フライトナイト(1985)」をリメイクした作品で、登場人物の役名はそのままだったり[招待されないと家に入れない]といったオリジナルでのお約束はそのまま引き継がれており楽しめました。
主演の「アントン・イェルチン」は今年で23歳になるので「ターミネーター4(2009)」や「スター・トレック(2009)」では好演ながらも、今回の高校生役には無理があったように感じましたが、存在感があったのは「マイアミ・バイス(2006)」以降は何故か主演から遠ざかっていた「コリン・ファレル」で、本作では敵役であるヴァンパイアを熱演しています。
彼はオリジナル版のファンだったそうで、演技もオリジナルとは一味違った吸血鬼を演じているので興味のある人は比べてみると面白いかもしれません。
ただ、折角のホラー映画で3D公開されてはいるものの、あまり3Dらしい見せ場は無いので2Dで鑑賞しても大差はないように思います。

昔観た作品を彷彿させるような、何とも言えない懐かしさが込み上げてくるような作品でした。
ドラマの王道を行くストーリーで、元ボクサーのダメ親父「ヒュー・ジャックマン」が、一生懸命に頑張っている姿を子供に見せる事により、馬鹿にしていた子供が父を尊敬してゆく姿を感動的に描いています。
判ってはいても観る者のハートを熱くさせてくれるのは、やはり嬉しいもんですね。
この類の作品で先ず私が思い出したのは、アーム・レスリングで勝ち進んでいく「オーバー・ザ・トップ(1987)」ですが、本作は高性能のロボットたちが、かなりのリアルさで格闘技をするという異色の設定で驚かされます。
しかし、監督の「ショーン・レヴィ」は「ナイト ミュージアム」2作品でスキルを向上させていたでしょうし、「ロバート・ゼメキス」や「スティーヴン・スピルバーグ」の両名が製作総指揮陣の中に名を連ねていたので納得させられました。
日本のロボット文化に尊敬の念が込められていたと誰もが感じられる箇所もあり、嬉しくなりました。
そして、格闘シーンへの入り方やクライマックスへ向けての盛り上げ方が、非常に卒なく作られていますし、人間関係や人物描写も解りやすくて期待通りのエンディングは非常に気分良く劇場を後をすることが出来ます。

監督は「バレンタインデー (2010)」の「ゲイリー・マーシャル」で、18人の男女が「ニューイヤーズ・イブ(大晦日)」の日に繰り広げるドラマは、賛否の別れる作品だと思いますが、これほどのキャストが出演しているのなら観ていておいても損はありませんね。
あまりにも豪華メンバーでひとりひとりの人物描写が薄く感じるかもしれませんが、出演者の存在感だけで十分補えています。
例えば、末期癌で余命いくばくもないという設定の「ロバート・デ・ニーロ」の亡くなるシーンは映像化しなくても、それだけで十分に人物描写が出来ています。
そして「ハル・ベリー」や「ヒラリー・スワンク」「アシュトン・カッチャー」などの大物俳優が一挙に出演してスクリーンに登場する度に各々のヒット作品を思い出し懐かしんでしまいます。
そういう意味合いで、本作は観客側のイマジネーションが必要な作品になっており、映画ファンのために作られた映画が好きな人ほど楽しめる作品になっています。
1年間の映画見納めには、このハートウォーミングな気持ちで終われる作品がオススメです。
ちなみに私は12/31の大晦日に鑑賞して、観終えた時間は新年の2時間前で、感動したままの気持ちで歳を越すことが出来ました。

「ホルテンさんのはじめての冒険(2007)」の「ベント・ハーメル」監督が前作同様の心温まる作品を提供してくれました。
クリスマスの夜を迎えたノルウェーの小さな町を舞台に、様々な悩みや問題を抱えた人々が聖夜に織りなす悲喜こもごもの物語を、複数のストーリーを並行した構成で効果的に繋げて描かれています。
85分の比較的短い作品の割に、離婚・移民・宗教・貧困・不倫などの物語を上手く絡めていました。
メッセージ性の強い作品で、要は「クリスマスには家に帰って迎えよう!」ってことです。
余談ですが、私は12/24のクリスマス・イブの夜に本作を鑑賞し感動しました。

昔観ていたTVシリーズ「スパイ大作戦」のテーマ曲が流れるだけでも、ワクワクしてきますが、49歳の「トム・クルーズ」が、一切スタントマンを使わずに自らアクションシーンを撮影したという本作は、それを見るだけでも価値がありました。
彼以外は殆ど新メンバーの登場になっていますが、「サイモン・ペッグ」は3作目で彼の窮地を救った内勤役から今回は現場でのミッションに参加するという昇格をしていますし、妻の「ミシェル・モナハン」や相棒の「ヴィング・レイムス」も最後に登場していますので「M:i:III(2006)」を観ておいた方が本作には入りやすいかも?
私は観終わった後、自宅に帰って直ぐに3作目をDVDで鑑賞しました。
今回はIMF組織がクレムリンを爆破した容疑をかけられ、アメリカ政府から見放されてしまいイーサン・ハントらのチームが、情報も物質的支援が受けられなくなってしまうという中での追い詰められた状況でのミッションです。
モスクワ、ドバイ、ブダペスト、バンクーバー、ムンバイと世界中を駆けずり回りミッションをクリアしていくあたりは「007シリーズ」を彷彿させますが、エンタメとして気楽に楽しめる作品ですのでおススメ出来ます。
1~3作目までは殆ど関連性がありませんでしたが、3&4作目は一応続編となっており恐らく5作目が制作されるだろうエンディングだったので期待大です。

前作「カイジ 人生逆転ゲーム(2009)」の続編で、再び負け組に転落した主人公カイジ(藤原竜也)が、かつての宿敵・利根川(香川照之)をはじめ、どん底人生を送る負け組たちと手を組み、命を懸けた大勝負に挑む姿を描いている。
共演は「伊勢谷友介」「吉高由里子」「生瀬勝久」で、監督は前作に続き「佐藤東弥」。
見どころは、原作にないオリジナルとなる「香川照之」と前作の最後に登場した「吉高由里子」が今作に絡んできたところなのだが、パチンコ台「沼」の攻略に関しては原作通りなので、楽しみは半減してしまう。
個人的には「パチンコ台の沼」よりも「地下の強制労働施設でのチンチロリン」のエピソードの方が好きなので、もっと取入れて欲しかったが一瞬で終ってしまった・・・
作品としては、断然に1作目の方が楽しめます。
それは「人間」対「人間」の戦いの心理描写やウラのウラを読みつ読まれつという駆引きがあったからですが、今回は相手がパチンコ台ですから「人間」対「機械」では無理だったのかもしれません。
最後の「香川照之」との勝負での現金入れ替えの方が面白いくらいですが、どう考えてもそのチャンスがあったとは思えずシナリオにも無理がありました。
前作を観ている人なら観ておいても良いでしょうが、TV放映まで待ってもいいかもしれません。

「オーシャンズ11」シリーズや革命児ゲバラを描いた「チェ 28歳の革命(2008)」「チェ 39歳 別れの手紙(2008)」の「スティーヴン・ソダーバーグ」監督がウイルスを扱ったパニック・サスペンス映画を超豪華メンバーを配して造ったのだから観ない訳にはいきません。、
物語は初っ端から「2日目」?とテロップが出てドキュメンタリー風に進んでいきます。香港・東京・シカゴと場面は変わり、次々に人々がウィルスに侵され倒れて行く映像が淡々と流れ、想像していたパニックものとは明らかに違い地味ですが、「死」に直面した人間の「恐怖」がリアルに描かれているのでマジで怖い。
各々の名優が見応えのある演技で役割分担をしているので、個々の個性は出せていないが、その分リアルに伝染病を描いており、本当にいつか世の中がこんな風になってしまうのだろうと思えてくる。
最近だがカナダのTVドラマで「リ・ジェネシス バイオ犯罪捜査班(2004~2008)」を(シーズン4で完結)長丁場で観ていたので、私には余計リアルに感じられました。
このドラマ最初のシリーズは大して面白くもないのだが、シーズン2の後半から俄然面白くなってくる。
ラストは驚愕の結末なので興味のある人は観られては如何だろう?(レンタルDVDで十分です)
さて話は本作に戻って、私の好きなジャンルである「ウィルス感染パニック」もんは数々の作品がありハズレ作品も多いが、流石にこの監督は他の作品とは全く違う切り口で観客に本当の怖さを植え付けている。
それは社会のシステムであり、商品の買い占めに始まり、暴力や略奪が現実性を帯びていた。
そして、デマを飛ばし事態を利用して一儲けを企む人間や、フェイスブックの情報でリーダーのスキャンダルが暴露されたりと、細かいとこまで現在のパニックを描いている。
最終的に事態は収拾するのだが、ラストのテロップに「1日目」を持ってきてどうやって伝染病が最初の患者に感染したかを知らせて終わっている。
私の実体験だが、この映画を観終わったらエスカレーターの手すりを触ったり、人の出入りが多いゲーセンや書店に入るのが躊躇された。
ましてや近くで咳込む人がいたなら、必ず顔を背けてしまう事は間違いない!

「アレクサンドル・デュマ」の古典『三銃士』は過去何度も映画化されてはいるが、「バイオハザード」シリーズの「ポール・W・S・アンダーソン」が最新の3D映像技術を駆使して現代風にアレンジした異色作品です。
三銃士の物語というよりは、ダルタニアン(ローガン・ラーマン)とミレディ(ミラ・ジョヴォヴィッチ)中心の作品で、バッキンガム公爵(オーランド・ブルーム)も初悪役という役処で目立っていた。
3D映像は殆どの方が未だ家庭では観ることが出来ないので劇場での鑑賞しか仕方がないが、内容の方はありふれたものだった。
ただ映像は素晴らしく、美しい王宮や古典的な正統派衣装でなく派手な衣装や飛行船などというストーリーよりも豪華な美術に目が行ってしまった。
ラストは命拾いしたミレディがバッキンガム公爵と共に復讐を匂わせる終わり方だったので続編があるかもしれないが・・・

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