「ピーター・バーグ」監督といえば「キングダム/見えざる敵 (2007)」で、私は高く評価して「ハンコック(2008)」で拍子抜けした覚えのある監督だったが、本作に関しては完全復活して存分に楽しむことが出来ました。
侵略してきたエイリアンと戦う設定は、昨年公開された「世界侵略:ロサンゼルス決戦(2011)」と同じアメリカ海兵隊最高(今回は海軍)の映画で、アメリカ=NO.1をアピールした作品だが、本作はプラス海上自衛隊の自衛艦艦長として「浅野忠信」が大活躍している。
完全な準主役級の役どころでセリフも美味しく、珍しく思いっきり日本ヨイショされている。
まぁ正に力技で制作された映画なんで突っ込み所は満載ですが、この手の映画にツッコミは無用ですので、素直にエイリアン襲撃に立ち向かい、決死の戦いを繰り広げる日米軍艦乗組員たちのアクションを楽しむのが正解だと思います。
主演は同日に公開された「ジョン・カーター (2012)」と同じ「テイラー・キッチュ」ですが、断然此方の方が面白かったのでDVDが発売されたら買い!かな?
「リーアム・ニーソン」は出番が少なく期待してる人には物足りないでしょうが、是非観て頂きたいのが、戦艦ミズーリの海上ドリフトで、大迫力のこのシーンは本作一番の見所です。
誰がこんなこと考えるんですかね。。。

2011年度アカデミーの作品賞ほか5部門を受賞した作品で、私にとっては初の無声映画でした。
フランス資本の映画がオスカー賞を受賞するのは初めてだそうだが、フランス映画って意外と脚光を浴びてなかったんだと驚かされた。
率直な感想としては、好き嫌いが大きく別れる映画で、この作品がよくアカデミー作品賞を受賞したなという思いです。
サイレント時代の人気男優ジョージ「ジャン・デュジャルダン」は、トーキーの時代に移り変って新たなスターとして階段を駆け上り急成長していくペピー「ベレニス・ベジョ」とは正反対に忘れ去られてしまいます。
しかし、ペピーは何とか彼に復帰して欲しいと願い奔走する恋愛映画です。
重要なセリフのみ字幕は出ますが、大部分セリフは無く(ラスト以外)音楽のみで観客に伝えてくるので、セリフの内容は観客の想像力に委ねられ想像しながら観賞しなければなりません。
これを楽しいと思うか苦手と考えてしまうかが、好き嫌いの分岐点になる様な気がします。
言葉無しでも、こんなにハッキリと気持ちは伝わるんだという部分は十分に表現されていたと思いますが、万人受けする映画でもありませんし事前に情報を得ておいても観賞されたい映画ファンだったら共感出来る作品かもしれません。

今更ながらの作品ですが、当時私は劇場で観ることが出来なかったし、「アバター(2009)」で3D映画の新時代を切り拓いた「ジェームズ・キャメロン」監督が代表作である本作を最新のデジタル技術で変換処理を施した3Dバージョンを新たに劇場で体感出来るということは映画ファンにとっては例えようのない喜びです。
肝心の3Dの出来ですが、1コマ単位の手作業で手間とお金をかけて3Dにしたというだけあって、素晴らしい立体的な映像となっています。
沈没事故から今年で100年となり当時のタイタニック号と同数の乗客を乗せたクルーズ船で乗客も当時の服装に仮装して、同じ航路でイギリスのサウサンプトンからアメリカのニューヨークまでの追悼航海をしたり、悲劇の日の4月15日前からは全世界で様々な行事が行われたようでした。
ストーリーが判っていても色褪せない内容ですし、この迫力ある作品は是非劇場で鑑賞されることをオススメ致します。

2011年映画賞の部門に多数ノミネートされ「アカデミー賞」「ゴールデン・グローブ」「英国アカデミー賞」「放送映画批評家協会賞」には、「オクタヴィア・スペンサー」が助演女優賞を受賞している注目作だったので鑑賞してきました。
原作「キャスリン・ストケット」のベストセラーを映画化した感動作で、1960年代のアメリカ南部は未だ人種差別意識が根強く残る地域での勇気ある行動で、世の中に大きな波紋を投げかけた作家志望のスキーター「エマ・ストーン」とメイドとして働く黒人女性たちとの友情ドラマです。
特に多数の部門にネミネートされながらも受賞には至らなかった「ジェシカ・チャステイン」の演技と悪役で作品を引き立てた「ブライス・ダラス・ハワード」が光っています。
黒人というだけで差別された時代をしっかりと描いている作品ですが、他の差別作品と大きく違うところは対象が全て女性だというところです。
(The Help)とはお手伝いさんの事で、彼女達黒人の声を世の中に知らしめたスキーターの本が大ヒットした結果、彼女たちを(Help)したという心温まる物語でした。

名探偵シャーロック・ホームズ「ロバート・ダウニー・Jr」と相棒のワトソン「ジュード・ロウ」が過去のホームズ作品と違ったアクション満載作品「シャーロック・ホームズ(2009)」の続編で、監督は前作に引き続き「ガイ・リッチー」なので特に目新しさはなく、相変わらずアクション&コメディに偏り過ぎた作品なので謎解きを期待してる方は見送った方が良いだろう。
今回も監督がお得意の高速度撮影が随所に出てくるので、前作のようなホームズのアクション映画がお好きな方なら退屈はしないと思う。
また本作には「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女 (2009)」の「ノオミ・ラパス」が謎のジプシー女役で新たに出演しており彼女のアクションシーンは中々の見所でもあった。
本作の音楽は良いのだけれど、子供の頃に夢中で読んだ「コナン・ドイル」のホームズと、あまりにもイメージと違い過ぎるので、これは別人の作品として割り切って鑑賞した方が納得が出来るだろう。
もう続編は作らないで欲しいのだが、最後の「The End ?」は当然第3弾への布石になっているようだ。

妹役の「17歳の肖像(2009)」「マイ・ブラザー(2009)」の「キャリー・マリガン」の演技も良かったが、2011年ヴェネチア国際映画祭男優賞を受賞した「マイケル・ファスベンダー」の演技が凄かった。
彼は「X-MEN:ファースト・ジェネレーション(2011)」の若き日のマグニートーというぐらいのイメージしかなかったのだが、本作ではセックス依存症で苦悩する男を熱演している。
またイギリスの新鋭監督「スティーヴ・マックィーン」がスクリーン上で主人公の孤独感を巧く演出しており、徐々に内面のバランスが崩れていく様がヒシヒシと伝わってくる。
過去に妹との間で何が起こったのかは描かれておらず、彼が妹の出現から壊れていく理由やセックスに依存してしまう原因は描かれていないので、観る側が色々と想像をしなければなず、私は一体何が「シェイム=恥」なのか考えつつ飽きないで楽しめたが、人によっては難解な作品になるかもしれない。
性行為のシーンが多いのでアベック鑑賞向きではないと思うが、上映初日は約半分がアベックだった。
上映期間も長くないと思うのでレンタルDVDが出るまで待っても良いだろう。

お金をかけなくても凄く楽しめる映画が出来るという代表的な作品です。
基本的に劇場では殆どコメディを観ない私ですが、久し振りに大笑いさせてもらいました。
監督は「戦場のピアニスト(2002)」の「ロマン・ポランスキー」で、4人の俳優だけで大ヒットした舞台劇を映画化したコメディ・ドラマです。
子供同士が喧嘩をして示談しに来た夫婦同士で、すんなり話はまとまるかと思いきや、ひょんな一言から帰れなくなりコジレていきます。
一般的家庭の「ジョディ・フォスター」と「ジョン・C・ライリー」夫婦の子供が弁護士をしている「ケイト・ウィンスレット」「クリストフ・ヴァルツ」夫婦の子供に怪我をさせた為に示談しにこの家にやって来る場面から物語は始まります。
以降殆どがこの部屋だけのシーンで上映時間79分という短さではありますが、シンプルな作品だからこそ徐々に修羅場になってゆくハラハラ感は、まるでアドベンチャーでも観てるかのような感覚に陥ってしまいます。
名優たちの演技が素晴らしいのと、この作品は家庭のTVで観るより劇場へ脚を運んで他の観客達と一緒に笑いを共存した方が楽しめることは間違いないので劇場鑑賞がおススメです。

一度聞いたくらいでは覚えられないようなタイトルですが、2011年アカデミー作品賞と助演男優賞に「マックス・フォン・シドー」がノミネートされていた作品ですので鑑賞してきました。
「スティーヴン・ダルドリー」監督は本作が4作目となりますが、過去3作品は全てアカデミー監督賞にノミネートされていますし、「トム・ハンクス」と「サンドラ・ブロック」も出演しているので楽しみにしてましたが、久々に良い映画を鑑賞出来ました。
脇を固める俳優陣も「ジョン・グッドマン」に「ジェフリー・ライト」というベテランで超一級の作品に仕上がっています。
何が良かったのか?というと・・・
これは大好きな父親を9・11に失い、あるものを探してニューヨーク中を歩きまわる少年のロードムービーなんだけど、大人側から観たら礼儀作法を知らないウザイと感じさせる少年「トーマス・ホーン」が、後半で気持ちをぶちまける場面との緩急の差に腹が立つほど号泣させられてしまいます。(笑)
この映画のテーマは「喪失からの再生」で、内容を要約しちゃうと『眼に見えないところでも、実は支えてくれている多くの人がいる』ってとこでしょうか。
世の中そんなに甘くはないと思いがちですが、「世界最速のインディアン(2005)」のような良い人ばかりの映画もたまにはいいもんで、深く考えずに是非この作品を鑑賞してみてください。
本作を涙流さずに観ることは困難です。

近未来に全ての人間の成長は25歳でストップしてしまい、人間の余命が通貨のように売買される「時間=通貨」というユニークな舞台設定なので、どんなシナリオで楽しませてくれるのかという期待をして鑑賞してきましたが、全く期待倒れの作品でした。
監督は「ターミナル (2004)」「ロード・オブ・ウォー(2005)」以来の「アンドリュー・ニコル」で、主演は「ソーシャル・ネットワーク(2010)」の「ジャスティン・ティンバーレイク」と「赤ずきん(2011)」の「アマンダ・サイフリッド」を起用しています。
突っ込みどころは満載で「安易に結ばれる貧困層の主人公と富裕層のヒロイン」や「無駄に盛上げようとするアクションシーン」などは許せるとしても、何十年間も常にギリギリの時間内で生きてきた男が、終盤で自分の残り時間が少ないことに気づかず命を落とすという内容には完全に白けさせられてしまいます。
「TIME」というタイトルに相応しいハラハラドキドキのカウントダウンものの作品を期待していましたが、完全なB級SFアクションでした。
メディアがCMを流し過ぎたせいでもありますが、観る前に期待せずハードルを下げてからの鑑賞だったら意外と本作品の世界観を楽しめるかもしれませんので、時間に余裕のある方だったらレンタルDVDでご覧になられたら良いかも。。。

「スティーグ・ラーソン」のベストセラー「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」を2009年のスウェーデン版に続き「デヴィッド・フィンチャー」監督が「ダニエル・クレイグ」を主演に据えてリメイクした作品で、主演女優のリスベット役には「ソーシャル・ネットワーク(2010)」の「ルーニー・マーラ」を大抜擢している。
私はスウェーデン版を劇場で1回、DVDで2回、劇場版153分より27分長い完全版を1回観ていますので、本作と比べてみたくて楽しみにしていました。
本編が始まるなり懐かしの〔レッド・ツェッペリンの移民の歌〕が流れだし気分はいきなり盛上がってきます。
スウェーデン版を4回も観ているので、ミステリー・サスペンスというジャンルでありながら犯人探しの必要はなく、オリジナルとの比較という角度で終始鑑賞していました。
本作を初見の方は、複雑ではありませんが登場人物の人間関係が矢継早に説明されていくので、当初は頭の中で整理をすることでいっぱいになるかもしれません。
私は全て把握出来ているので、その分を作品に集中出来ました。
「ダニエル・クレイグ」が、どうしても目立っていますが、特筆すべきは「ルーニー・マーラ」で、人間不信の女性が徐々に心を開いていき、最後は切なくなる体当たりの演技は見応えがあります。
特に内容に大きな違いはありませんが、オリジナルは最初から3部作の1作目ということで、リスベットの父親に関してのトラウマの記憶が、フラッシュバックで蘇ってくるシーンが随所にあったが、本作で彼女の回想場面は一度も出てこなかったので続編は無いのかな?と思わせている。
「デヴィッド・フィンチャー」監督には、是非残りの2&3作品を発表して頂きたいと切に願うが、続編が発表されるかどうかは判りません。

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