映画パンフレット専門店の店長が見てきた映画をレビューします
ファンタジー担当のモモです。
天下のディズニーが社運を賭けた冬の超大作ですが、なんと1982年公開「トロン」の28年ぶりの続編で、Legacyとは遺産という意味だそうです。
正直、なんで今頃?とは思いつつ、クロさんから前作「トロン」のDVDをお借りして、おさらいの鑑賞をしてから望んだのですが、これが大正解。
前作で作ったシステム内での戦いになっており、完全に前作の「トロン」を踏襲しています。
システム内に移動するための物体移動装置的なものもなんの説明もないために、知らなければまるで超常現象のようにシステムに移動するように思うでしょう。
バイクゲームでのルールも理解するのは難しいかもしれません。
しかし逆に当時の映画を知っている人には、ゲームセンターで電流が入ったとたんの大音量の音楽に、いきなり興奮出来ると思います。
そして現実社会では2Dだったのが、システムに入った瞬間にグワァーンと3D画面に突入、もうワクワク感も最高潮に!
システムの世界観と3Dをうまく融合させた演出に、ああ、実は前作「トロン」もこんな風に作りたかったんじゃないかと、今だからこその続編に納得し、この作品に2D上映版がないのも判りました。
そしてあろうことか、20年前に失踪したケヴィン・フリン「ジェフ・ブリッジス」が二役で、失踪当時そのままの姿で現れます。
ちなみに「ジェフ・ブリッジス」は現在61歳、CG合成による30代の本人と現在の本人が対峙をしていますが、まったく違和感を覚えません、素晴らしい!
でも、よく考えればこれってどうよ!
全部CG合成にすればもう俳優なんていらないって事にはならないのでしょうか?
ストーリー的には、長年離れていた親子の微妙な関係と絆や、ケヴィンとアランのシステムへの想い、新しく出現したデジタルDNAの存在と指示通りしか動けないプログラムの悲哀など盛りだくさんではありますが、どれも物足りなさは否めません。
しかしこの映画はそんなものを抜きにして、ビジョアルとゲーム感で楽しむのが正解かと。
ブルー発光のボディースーツのクールさやバイク出現にしびれ、門(?)出現に懐かしく笑い、途中80年代のヒット曲が流れて、メイクばっちりの頃のデヴィット・ボウイかと見間違うクラブのオーナーなんか純粋に楽しめます。
ただもう少し頑張って、ここまで3Dに慣れる前ならもっとインパクト大きかったのにと少々残念ではありますが、それでもとにかくカッコイイ!に尽きる映画でした。
やっぱり映画館での鑑賞を是非ともお勧めします。
In: ファンタジー
10 12月 2010ファンタジー担当のモモです。
ついにハリー・ポッター完結編PART1が始まってしまいました。
2001年の「賢者の石」からはや9年、彼らの成長も楽しみだったこのシリーズもついに完結かと思うと、楽しみよりも寂しさがたってしまいます。
11歳だったハリー、ロン、ハーマイオニーも17歳の設定。今までは必ず見守ってくれた存在があったのですが、いつまでも子供でいられないんだと自分たちで踏み出した彼らの勇気と希望、そして不安をうまく描きだし、「あんなにちっちゃかったハリーもこんなに大きくなって…」とまるで親戚のおばさん気分です。
しかし実際画面のハリーは、ひげそり跡も青々と、やたら脱いではもっさり胸毛なんかもしっかり露出、正直少年役はちょっとイタイかも?ってくらいギリギリです。
このところキスシーン乱発の「ハリー・ポッター」シリーズ、今回も濃厚なキスシーンだってしっかり挿入でした。
ロンもしっかり成長、いつも情けないロンが案外男らしいところを見せてくれたりするのですが、やきもち焼いちゃって自分勝手ところなんてロン健在、ハーマイオニーは胸の谷間を見せて、すっかり美しい女性に成長していますがドラえもんのポケットのような四次元ポシェット(?)を用意するあたり、優等生はいくつになっても優等生なんだと感心してしまいました。
映画公開のスパンが長くて、以前のストーリーを忘れがちですが、今回は総集編ってこともあり、過去のキャラクター総出演です。
屋敷しもべ妖精ドビーや守護霊にハリーを守る仲間など、過去作での出来事をフラッシュバックも説明もなく一瞬で片付けらえたりして、シリーズをきちんと観てきたことを前提にしています、というかシリーズを観てきてないと全く意味不明です。
146分間だれることなく、スリリングな展開ですが、ハーマイオニーが両親を想って魔法をかけるところやお互いを思いやってのダンスシーンなど、大人ゆえの彼らの苦しみが切なくて、ウルウルです。
しかし「謎のプリンス」でセブルス・スネイプのあまりの終わりかたにフラストレーションたまりまくりでしたが、今回もちっとも明らかにされていない!
どころか、PART2に引っ張るために何の謎解きもしてくれない!
私は原作は読まずに、純粋に映画のみのファンなので、次回の展開が全く予想できずに、かえってあれやこれやと勝手に想像をかきたてられますが、もうここまできたら逆に結末を知らないだけに何倍も楽しめるんじゃないかと思います。
2011年7月が待ち遠しいよ。
この作品の評価は賛否両論あるようですが、確かに微妙な内容でした。
原作アニメの「宇宙戦艦ヤマト」を無視して鑑賞した方が楽しめると思うが、残念ながら原作を知っている私は別物の作品として観ることが出来ず、ツッコミ所が多くなってしまい少々ガッカリした作品になっていました。
そもそも原作の壮大なストーリーを若干長尺とはいえ138分にまとめる事自体に無理があるのだから、原作を重視するなら3部作に別けるとか、一つのエピソードを重点的にした方がファンには受けただろう。
違う作品にするなら、もう少し一捻りした展開をして欲しかった。
例えば頭脳戦を繰返して最後に観客を唸らせるようなオチにしないと、今回のような内容ではチープなSFの「月9」TVドラマを見ているようで私は感動する場面がなかった。
但し、物語の内容は上記の通りだが映像に関して、特に戦闘シーンは迫力があったし現在の日本の最高技術陣と銘打ってるだけあって十分満足出来る出来である。
残念だったのはヤマトの司令室である艦橋内の安っぽい計器類などは作品の質を落としてしまうので、もう少し考慮するべきだっただろう。
「GALACTICA/ギャラクティカ(2004~2009)」のようなアメリカのTVシリーズですらあそこまで酷い大道具は使っていないので大いに参考にしてもらいたい。
(最も予算が大きく違うので、ある程度は仕方がないのだろうが・・・)
まぁツッコミ所は多々あるが、この映画に一つ一つそれを挙げるのは野暮なので鑑賞後に皆さんで大いに討論して下さい。
面白いと思ったのは、この話って200年位先の設定なのに未だAED(自動体外式除細動器)持って走り回ってるんです。
宇宙戦艦造る技術はあっても医療技術は全く進んでないという設定に大笑いしてしまいました。
万人にお勧め出来る作品ではありませんが、ヤマト好き人間なら観ておかないと会話に入れませんので・・・
「ジョージ・A・ロメロ」監督のホラー映画「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド/ゾンビの誕生<未>(1968)」「ゾンビ(1978)」「死霊のえじき(1985)」を明らかにモチーフにしながらも、そこにSFとコメディを盛り込むという新ジャンルに挑戦した「アンデッド(2003)」の監督である「ピーター・スピエリッグ」「マイケル・スピエリッグ」兄弟の2作目となる作品である。
主演は「ビフォア・サンセット(2004)」「アサルト13 要塞警察(2005)」の「イーサン・ホーク」、共演は「ウィレム・デフォー」と「サム・ニール」でB級映画としては豪華な配役である。
物語は近未来の地球を舞台にした2019年、謎のウイルスの蔓延により地球上は人間に代わり95%がヴァンパイアとなり新たな社会が築かれる。
生き残った人間と人類減少による食糧問題に直面するヴァンパイア達は人間たちを捕獲し、血液供給源として管理・飼育しているが食糧問題が深刻化していた。
この人間vsヴァンパイアの関係をユニークな設定と視点で描いており、かなり良く出来た仕上がりとなっている。
特に人間的なヴァンパイアが、今の社会風刺にもなっており面白いのでお勧めしたいが、残念ながら上映館は少ないようだ。
観れない人はDVD発売まで待って他のヴァンパイア作品と是非比べて欲しい作品なのでお勧め出来ます。
「ザ・コア(2003)」や「ミリオンダラー・ベイビー(2004)」の「ヒラリー・スワンク」が、1920年代に女性飛行士として世界で初めて大西洋を横断した<アメリア・イヤハート>の生涯を描いた伝記ドラマ。
「ヒラリー・スワンク」自身も本作の製作総指揮者の中にも名を連ねているほどで、その力を入れ具合はスクリーンからも十分感じられた。
共演は「プリティ・ウーマン(1990)」「Shall we Dance? シャル・ウィ・ダンス? (2004)」の「リチャード・ギア」で彼女の夫<ジョージ・パットナム>として出演している。
その他に「ブラックホーク・ダウン(2001)」や「スター・ウォーズ エピソード」シリーズの(オビ=ワン・ケノービ)役だった「ユアン・マクレガー」も共演し、豪華俳優陣の作品となっている。
物語は、少女時代から空を飛び世界中を旅することに憧れていたアメリアが飛行士となり1928年に女性初の大西洋横断に成功して全米中を熱狂させる。
そして、アメリアの広報を担当したジョージと惹かれ合い結婚するが、彼女はその後も大西洋単独横断や大陸横断、太平洋横断など次々と記録を打ち立て、世界的な名声を得た後、1937年にジョージにこれが最後のフライトと誓い彼女の夢であった世界一周飛行への挑戦を決意し大空へと飛び立つが…。
この作品は、若い頃の<アメリア・イヤハート>の描写を殆どせずに、31歳からの彼女の伝記としている。
最後に実物の彼女の映像があるが、風貌が「ヒラリー・スワンク」に非常に似ていたために、あえて若い時代は割愛したのだろうか?
ただこの部分の描写がなかった為にか、結末のエンディングに私は感動出来ずじまいだったので、わざわざ劇場に足を運ばなくてもよい作品だったかも。
「ジャッキー・チェン」が構想に20年を費やし、原案・製作総指揮・主演・武術指導を務めた意欲作の歴史アクション。
時は紀元前227年、戦国時代の中国で大国“衛”の軍が弱小国の“梁”に攻め入るが、梁軍の待ち伏せに遭い激しい死闘の末に両軍共にほとんど全滅してしまう。
しかしそんな中、死んだフリをして戦場を要領よく生き延びてきた狡猾な“梁”の老兵を演じる「ジャッキー・チェン」。
敵国の将軍を捕まえ報奨金目当てに自国へ連れ帰る道中で、様々な困難に直面しながらも次第に将軍と奇妙な絆を築いていく様を、深みのある人間ドラマにしながらも「ジャッキー・チェン」らしいコミカルな要素を織り交ぜ、奇想天外な逃走の顛末を描いている。
「ジャッキー・チェン」主演のアクション作品の中では中国歴代ナンバー1のヒットを記録しているらしく、彼の作品は好みが別れるところだが、この作品は観ておいて良かったと感じた。
2010年公開作品だけでも「ベスト・キッド(2010)」「ダブル・ミッション(2010)」そして本作と立て続けに出演しているが、今回はカンフーを殆ど使わず戦場で生き延びる為の知恵を会得した老兵を軽妙に演じている。
父の教えを教訓に生きてきた事を巧く終盤に繋いで、特にラストは意外な顛末で終わらせたシーンは心に残る。
“衛”の将軍役を演じるのは「ラスト、コーション(2007)」の「ワン・リーホン」で中々の好演で、ジャッキーファンなら必ず抑えておきたい作品である。
この映画は凄いです。
久しぶりに期待を裏切らない内容でした。
なんせ「ロバート・ロドリゲス」監督が「クエンティン・タランティーノ」監督と組んで製作した2本立て映画「グラインドハウス」の架空映画の予告編として出していた「マチェーテ」を、豪華キャストを配して実際に長編映画として完成させてしまったというアクション・バイオレンスなんです。(+エロティックシーンもあるけど。。。^^)
そんでもって出演者陣がこれまた凄い!
悪役専門の「ダニー・トレホ」を主演にして「ジェシカ・アルバ」「ロバート・デ・ニーロ」に、本作では悪役の「スティーヴン・セガール」は、極悪ぶりが最高でした!
その他「ミシェル・ロドリゲス」「リンジー・ローハン」に久々の「ドン・ジョンソン」という超豪華メンバーです!
B級映画へのオマージュとして製作された「グラインドハウス」より間違いなく楽しめる作品だが、「R18+」なので万人に大うけする訳ではないだろう。
大量の血しぶきが飛び交いバッタバッタと死体の山が築きあげられる、下品なバイオレンス描写は逆に笑えてしまう。
これはDVDが発売されたら特典が楽しみな作品なので、特典の内容次第では私は購入するかもしれません。
とりあえずこの手の映画が好きな人たちには必見の作品ですので是非劇場で!
(この作品の劇場用パンフレットは販売されておりません)
この作品は、2008年に北朝鮮の悲惨さを伝えた「キム・テギュン」監督の「クロッシング(2008)」ではなく「トレーニング デイ (2001)」「ティアーズ・オブ・ザ・サン (2003)」「ザ・シューター/極大射程 (2007)」の「アントワーン・フークア」監督が2009年に製作した作品です。
主演は「リチャード・ギア」「イーサン・ホーク」「ドン・チードル」の3人の警察官を軸にした物語で、「ウェズリー・スナイプス」「エレン・バーキン」「ウィル・パットン」という豪華な脇役陣とあらば必見でしょ!
という訳で、いそいそと劇場へ脚を運び鑑賞してきましたが、結論は若干の肩透かしでした!
そもそもタイトルが「クロッシング」なので、3人の警官がそれぞれ関係のない事件から最後で巧く絡んで云々というシナリオを勝手に想像していたのですが、全くそのような事はありません。(せいぜいニアミス程度です)
物語は現代のニューヨークで普通に暮らす警官達が、真面目に働いても生活が困難な社会の中で汚職や不正をする様や、何事もなく平穏に定年を迎えようとしている中で最後に正義感を出してしまったり、長年おとり捜査官としての任務を終えて正規の捜査官として働く直前で狂いだした葛藤など、3人の警察官の物語として観た方が抵抗なく観る事が出来ます。(決してタイトルに惑わされないように!)
全体に重苦しい雰囲気で気分爽快になる映画ではないが、これだけの俳優が出演するとなれば観ていておいて損はないと思う。
1作目「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女(2009)」の続編で「ミレニアム」3部作の続きとなるが、1作目は一応一区切りがついており「2」と「3」は繋がっているので前後編の作品として鑑賞した方が良いだろう。
この北欧のミステリー巨編は「ドラゴン・タトゥーの女」が153分、「火と戯れる女」が130分、「眠れる女と狂卓の騎士」は148分と非常に長尺で内容も暗いがシナリオがしっかりとしている為に観る側を飽きさせない。
まぁこのシリーズ全編に通じていえることだが、内容と音楽は暗いし、上映時間が長いので好き嫌いは別れる映画かもしれないが、私は全く飽きることなく作品に没頭出来た。
監督は1作目の「ニールス・アルデン・オプレヴ」に変わり「ダニエル・アルフレッドソン」がメガホンをとっている。
2作目は、ヴァンゲル家事件が解決し1年経ってから、少女売春組織の実態に迫る特集記事の準備を進めていた記者2人が殺害されるという事件が発生し、殺人の容疑者となったリスベット「ノオミ・ラパス」が、混乱する警察捜査を尻目にミカエル「ミカエル・ニクヴィスト」ら彼女の無実を信じて行動している男たちが奮闘し、リスベットの衝撃の過去が展開されていく。
リスベットは警察の追跡をかわしながら一人で犯人と対決する道を選び、やがて事件の背後の巨大組織が浮かび上り衝撃の事実が判明する。
3作目は、瀕死の重傷を負ったリスベットに代わりミカエルを中心としたリスベット救済チーム「狂卓の騎士」が結成され、恐るべき巨悪な秘密組織に立ち向い、全貌に迫るとともに、ついに最終決戦を迎えた法廷での緊迫の攻防がスリリングに展開していく。
全編長く暗い雰囲気のストーリーだが、最後でやっとスカッ!とする終り方をしてくれているので救われるし、私的には3部作をまとめて観れるならお奨めの映画です。
In: ホラー
6 11月 20101作目から見続けてきたこのシリーズも7作目にして完結編となりやっと終わった!という感じです。
今作は初となる3D映像で何箇所かは思わず顔を避けるシーンがありますが、シリーズを通して観てる人なら必ず観るであろうし、態々煩わしい眼鏡をかけて鑑賞料金の高い3Dにする必要はなかったと思うが、選択の余地がなかったので仕方がないとはいえ2Dの鑑賞があってもいいのではないだろうか?
このシリーズの決まり文句である最後に「ゲームオーバー」をいうのが誰なのか?
最後は誰でシリーズを通して納得出来る結末にするかという点について多少の無理はあったが、何とか無難に完結出来たと思う内容でした。
ただ最高傑作だった1作目のクオリティは微塵もなく観客の裏をかくような驚きはありませんし、このシリーズのファンならある程度予想出来るジクソウの後継者で締めくくっている為に観客を驚かすというような意図は無く物語をまとめるという方向に重点を置いてしまった作品ですが、死者の数は今まで一番多いんじゃあないかなと思うくらい死にまくっています。
これまでの色々な伏線が全て回収納得させられた訳ではないので、意外と続編があるかもとも思いますが、そうなれば観客の一番裏をかいたことになるでしょう。
何度も観ているシリーズですが、機会があればもう一度1~7作を一気に観てみたいと思います。
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